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2009年8月2日

C76新刊について

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カテゴリー: その他 — fune @ 2:16 PM

小説本一冊出します。二日目東Q23a、うす味連合さまに委託させてもらっています。ありがとうございます。
116ページ、700円くらいです。

4人の少女が暮らす娼館で目を覚ました記憶喪失の青年と、暇つぶし女子高生の話です。
こんな感じの表紙で、でかでかと書いてある通り18禁になっています。試し読み→(pdfです)

C76

細々してるやつは中のお話が始まる前の話になってます。下にテキスト版を置いておきます。

ようやく、彼の小さなアパートに戻ってきた。街の中心で渦を巻いていた熱狂は市街の端までは届かず、静かだった。つないだ手を離して、彼は鍵を探し始める。廊下は電気がついていなくて真暗だった。月の明かりをたよりにブーツの踵で金属の床に薄く積もった雪を蹴った。鋭い音が狭い廊下に反響する。鍵の開く音がして、彼は家の中に入った。「早く入りなよ」「うん」雪の塊が気になったけど、言葉に促されて部屋に入った。/出かけている間に部屋の空気は死んで、抜け殻みたいになっていた。「ねぇ、世界は滅亡するの」「そうだよ」彼が後ろ手に閉めたドアが大きな金属の音を立てた。「楽しみ?」「怖いよ」音は、しばらく玄関に残留した。わたしの肩は彼にゆっくりと抱かれる。厚い防寒具がふれあい、乾燥した音をたてた。「どうして」真暗なワンルームの奥の窓で、絵筆が一振りされるみたいに車のヘッドライトが過ぎ去っていった。「……わからないな「君は、どうしても生きていたいの」「あまり。生きていても、あまりいいことはないかもしれない」また乾燥した音を立てて、腕の締め付けが強くなった。「ブーツ、ぬがせてちょうだい」腕を払い、上がり框に座る。安物のダッフルコートを滲みてきた冷気が尻を冷やした。「…………」彼はコンクリートの土間に傅き、黒い膝丈の靴下に覆われたふくらはぎに触れた。わたしは、彼の傅いたコンクリートの灰色を見ていた。ブーツの靴底からはがれた雪がこぼれ、コンクリートの上で溶け、灰色を強めていた。まず、右足のブーツを脱がされた。あたたかな空気に包まれていた足が抜け殻の空気にさらされ、冷やされていく。「寒いね」床についた手も、冷たい。「脚、あったかいよ」そういって、掴まれた脚は彼の目線まで引き上げられた。ゆっくりと、足の裏に頬を触れられる。「ほっぺた、つめたいね」わたしは床に横たわる。縮絨された毛たちがフローリングの上で微かな音を立てた。ふくらはぎに触れていた手がゆっくりと膝に伸ばされる。「膝、冷たい」「骨ばっかりだから仕方ないよ」停止しかけた世界のせいで例年よりも冷たい冬の空気を吸い込んだ膝の骨のことを想っていた。薄い皮の下の、冷ややかな空気を沁み込ませた白い骨のことだ。指先はそこから太腿をすべり、靴下に覆われていない肌に触れた。「君の指、冷たいね」そういって、笑った。あまり冷たくて、少し驚いてしまったからだ。そうしたら彼はすこし怒ったみたいに無言でスカートの中に手を突っ込んできた。だから、わたしも無言で白い天井を眺めていた。/屋敷の中はがらんとしている。わたしはエントランスの階段に座り、大扉の向こうを眺めていた。遠くから、歓声と軽く慌ただしい足音が聞こえてきた。階段に敷かれた絨毯の上で横になる。背後の窓からの光の影が絨毯と、その上に散らばった髪の毛の上で揺らめいていた、揺らめいていた。二階から聞こえてきた声たちはわたしの上を飛び越えて、一階に着地した。「ゆうこー!」直立した三角錐の猫耳の彼女がいう「元気なさそう」垂れた犬耳の彼女がいう。ふたりは髪型を除いたらまったくそっくりに見える双子の少女たちだった。「元気、だよ」元気だけど、頭の中は静かだった。「そっか」そういって双子は手をつないで走り出し、キッチンのある廊下へと消えていった。屋敷には、わたしと双子の三人しかいない。横になった景色を見ながら、ぼんやりとしていた。あと、どれくらいの間こうやってぼんやりとしていられるだろう。また、遠くから歓声が聞こえてきた。足音は聞こえない。何かの予感があって、立ち上がった。双子がここに来たときと同じ類いのものだった。二階の空き部屋の戸を開いた。簡素なベッドには、少年にも少女にも似た子供が収まっていた。掛け布団から露出した首筋とまあるい肩は真白で、窓からの光が肌に注ぎ、眩しかった。その人の傍らに立ち、煙草に火をつけた。それから、窓を開き、停滞していた部屋の空気を入れ替える。窓枠に背を預け、寝ている人の顔を見ていた。毛穴なんてないみたいな顔は穏やかだった。頭蓋骨を覆う皮膚から生えた髪の毛は柔らかで冷ややかそうで、触れてみたくなる。にわかに目蓋が微かに痙攣しだし、しばらくの後ゆるやかに開かれた。「おはよう」何もわかっていない風にわたしの顔を見た。「君は、誰かな」雛鳥みたいに首を傾げられる。ベッドから身を起こし、掛け布団が露のようになめらかな肌をすべっていった。息をするたび、肩がゆるやかに上下する。その動きは無性にいとおしいと感じられた。「君は、男の子かな」私は震えながら声をかける。少しだけ、泣きそうだった「ぼくは、女の子だよ」彼女の喉から硝子を擦ったみたいに引っかかっていて、ハスキーな声がこぼれだした。まだ眠たそうな目でベッドから立ち上がり、素足で木の床に立つ。彼女の股には男の性器が生えていた。「ぼくは、女の子だよ」「名前は、なんていうの」わたしは彼女に歩み寄り、その小さな肩を抱きしめた。「どうだろう、たぶん、祐希っていうんだ」

作り直した

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カテゴリー: その他 — fune @ 1:36 PM

いいかげんやらないとなーって思ってたんだけどずっとやってなかった改装をやりました。大分見栄えが良くなったと思います。
原稿も完成したし、あとはコミケを待つばかりとなりました。

作ったもの

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カテゴリー: information — fune @ 12:00 PM

作ったもの

文学フリマ10で出したもの
”RECOLLECTION”
詳細
http://donuthole.org/information/%E6%96%87%E5%AD%A6%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%9E10%E3%81%8A%E7%96%B2%E3%82%8C%E3%81%95%E3%81%BE%E3%81%A7%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82%E3%81%9D%E3%82%8C%E3%81%A8%E3%80%81%E9%80%9A%E8%B2%A9%E3%81%AE%E5%91%8A
自分の原稿pdf
印刷版
http://donuthole.org/data/pdf/GOLEM.pdf
web版
http://donuthole.org/data/pdf/GOLEMb.pdf

C77で出したもの
PlasticJewelbox(在庫なし)
詳細
http://donuthole.org/information/c77

文学フリマ9で出したもの 祝福の・・・
C78で出す予定のゲームの前日譚みたいなもの。詳細→http://donuthole.org/information/%e6%96%87%e5%ad%a6%e3%83%95%e3%83%aa%e3%83%9e%e3%81%a7%e5%87%ba%e3%81%97%e3%81%9f%e6%9c%ac
本文と表紙のzip
http://donuthole.org/data/pdf/bless.zip

C76で出したやつ 飛翔する雛(在庫なし)
4人の少女が暮らす娼館で目を覚ました記憶喪失の青年と、暇つぶし女子高生の話。
試し読みのpdfとかあります。→ http://donuthole.org/other/c76

C74で出したやつ eclipse
世界の終末が近づいた世界でどうやって生活していくのみたいな話。

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